おしっこトラブルについてのブログ

おしっこのトラブルを抱える皆様へ

おしっこのトラブルの原因を調べるために②

おしっこのトラブルの原因を調べることは重要です。

 

前回の記事で膀胱エコー、膀胱鏡検査について触れました。

 

これらの検査から得られる情報は多いです。

しかし、これらの検査以外にも泌尿器科で行う検査で重要なものがあります。

 

それが質問票です。

具体的には前立腺症状スコア(IPSS)過活動膀胱症状スコア(OABSS)

が有名なところです。

あとは排尿記録(排尿日誌)があります。

 

前立腺症状スコアは名前の通り、前立腺肥大症の方向けに作られた排尿症状の質問票ですが、前立腺のない女性にも有効であることが分かっています。

 

また、過活動膀胱症状スコアについては、この質問票だけで過活動膀胱の診断ができてしまうぐらい優秀なものです。こちらについてはテレビでも取り上げられたこともあり、患者さんから病院受診の際にもって来る方もいらっしゃいます。

 

排尿日誌については

1日の中のおしっこをした時間、1回毎の量を確認することが目的です。

1日尿量、1回で溜めることができる尿量、排尿の多い時間帯

 など得られる情報は多いですよ。

下部尿路障害ガイドラインにも取り上げられており、

煩わしいことかもしれませんが、大切な記録です。

 

膀胱エコー、膀胱鏡検査、上記の質問票で診断を行っていくこととなります。

膀胱エコーや膀胱鏡検査では他覚所見(第3者からの確認)、

質問票は自覚所見になります。

どのくらい皆さんが困っているかをこれで評価することになります。

これらの検査を通して、治療を行う流れとなります。

おしっこトラブルの原因を調べるために

おしっこトラブルの原因を調べるためにお話させていただきます。

 

おしっこのトラブルの原因には何があるのでしょうか?

 

これまで何回かに分けておしっこの症状を説明してきました。

おしっこの症状がたくさんあるように原因もいくつかあります。

 

男性であれば、前立腺肥大症、膀胱機能低下、過活動膀胱、膀胱炎、膀胱癌、膀胱結石

女性であれば、膀胱機能低下、過活動膀胱、膀胱炎、膀胱癌、膀胱結石

などなどが考えられますが、他にも精神的に不安定である(緊張している)とか、

検査をしても明らかな異常がないこともあります。

ただ、残念ながらある程度の検査をしないことには、原因ははっきりしません。

 

そのため、泌尿器科を受診した場合には、検尿を中心とした検査が必要になります。

前立腺肥大症、膀胱結石、膀胱癌は超音波検査で診断ができますし、

膀胱癌をさらに疑う場合には膀胱鏡検査をする必要もあるかもしれません。

 

 

私の父にもおしっこのトラブルがあります。

で、私に会うたびに症状の相談から原因、治療について希望を訴えられます。

しかし、検査をしないことには治療ができない。と説明します。

すると、

「ちん○んに物を入れて検査はされたくない。だから泌尿器科には行かない!」

毎回この問答を繰り返します。

 

私も病院嫌いですから、検査はされたくありません。

検査をされたくなければ、担当医に検査はしたくないと伝えれば、他の検査で対応可能な場合には、何とかしてくれるものです。他に変わりがない検査であれば、仕方がないかもしれませんが、他の日にすることも可能でしょう。

 

とりあえず、おしっこのトラブルがある場合には泌尿器科を受診することが一番ですよ。

 

 

泌尿器科医としても、膀胱鏡検査を喜んでやっている訳ではありませんから、どうしても嫌なら他の検査にしましょうね。

また、おしっこのトラブルで泌尿器科を受診しても、膀胱鏡検査をすることはそれほどないと思います。

排尿後症状について

排尿後症状

 

みなさん、この言葉で何をイメージしますか?

 

残尿感、男性であればおしっこをした後下着にしまった後におしっこがちょろっと出たり。こういった、おしっこの後に出てくる症状が排尿後症状です。

 

残尿感

膀胱炎や前立腺肥大症などでは、おしっこをした直後にもかかわらず、残った感じがある。または緊張したときなどでおしっこが近いときなどにも、おしっこが少ししか出ずに、残っている感じがあったりしたことはありませんか?

残尿感て、以外と多く認められる症状だと思います。

また、実際に残尿がある方もいらっしゃいます。

そのため、膀胱炎症状などで泌尿器科に受診された場合には、残尿が本当にあるかどうかの確認を超音波検査で確認します。実際に残尿があれば、膀胱機能が低下している状態のため、何かしらの治療が必要となるでしょう。

 

おしっこの後、下着にしまった後にちょろっと漏れる

この症状は排尿後滴下といいます。

普通おしっこをする場合には、膀胱から尿道括約筋を通ったおしっこはそのまま外に出てしまいます。しかし、排尿後滴下は尿道の振子部に残ってしまったおしっこが下着にしまった後にちょろっと出てしまうのです。

意外と若い方にも多く認められる症状の一つです。

とは言え、なかなか治療薬がないのもこの症状です。

おしっこの後もう少しトイレで待っている。あるいは、陰嚢の裏辺りの尿道を軽く押しておしっこを出してやるなどでの対処となります。

 

今回は排尿後症状についてでした。

おしっこが出にくい 排出障害について

今回は

おしっこが出にくい 排出障害 について取り上げたいと思います。

 

排出障害という言葉をご存じでしょうか?

こちらは一言で言うと、

男性で有名な前立腺肥大症に伴う、おしっこのトラブルです。

でも、実際には男性にも女性にも認められる症状なのです。

原因には、前立腺肥大症、膀胱機能低下など様々なものがあります。

 

おしっこの勢いが落ちている(尿勢の低下

おしっこが2つに分かれて出る(尿線の分裂

おしっこが途中で途切れてしまう(尿線の途絶

出始めから終わるまでに時間がかかる(排尿の遷延

おしっこのときにおなかに力を入れないといけない(腹圧排尿

 

これらの症状が排出障害になります。

どうでしょうか?

 

勢いが落ちている、2つに分かれると言ったことは想像が難しくないですよね。

 

 

排尿の遷延について取り上げてみようと思います。

 

この症状は要するに、おしっこの出始めから終わるまでに時間が長くなると言うことです。

コンサートや駅などでトイレ渋滞見かけませんか?

その際に、隣の人が終わってもまだ自分は終わっていない。

次の人が後ろで待っているだろうに、なかなか出ない。

こういう症状になります。

 

 

 

おしっこは精神状態にすごく影響されますよね。

 

緊張しているときには誰しも頻尿になるもの。

また、他人を意識するとおしっこはでにくくなるもの。

これからトイレがないと言われるとおしっこに行きたくなるもの。

もちろんひとに見られていては、なかなか出ないもの。

 

おしっこをするときにはできるだけリラックスしてしたいものですね。

おしっこを溜めるって? 尿意切迫感って?

おしっこが上手に溜めることができない。

こんなトラブルの方はいらっしゃいませんか?

 

上手に溜めるとは、どういうことか?

膀胱の役割は平たく言うと、①おしっこを溜める、②出す。

これだけです。

 

①のおしっこを溜めることが上手にできないことを蓄尿障害といいます。

 

蓄尿障害の具体的な症状は

昼間頻尿夜間頻尿尿意切迫感切迫性尿失禁腹圧性尿失禁などになります。

 

頻尿は膀胱にたくさんのおしっこを上手に溜めることができないため、

おしっこを頻回にするということです。昼間に頻尿になれば、昼間頻尿

夜間の頻尿なら、夜間頻尿。(医学用語としては、布団に入って1回でもおしっこに行けば夜間頻尿です。)

 

尿意切迫感は、どうでしょう?

最近ではよく耳にする言葉です。CMで出てきたり、テレビなどでも出たりしていますね。

おしっこに行きたい感じがあると、我慢の仕様がないほど強い尿意です。

あるいは、水の音を聞いたり、水を触ったりなど、水を連想することでもおしっこに行きたい感じが出たりします。

 

切迫性尿失禁は、尿意切迫感があって、おしっこを出すまでに間に合わず、漏れてしまう症状です。

 

腹圧性尿失禁はおなかに力が入ったときにおしっこが漏れてしまう症状です。

 

 

みなさんイメージできますか?

ご自身がこれらの症状に当てはまる場合には、よく理解できるとは思いますが、

そうでない方には、イメージが難しいかもしれません。

 

頻尿は緊張しているとき、アルコールを飲んだ後など誰しもがイメージがしやすいと思います。腹圧性尿失禁もまた、女性でよく聞く話ですからイメージできそうです。

 

 

切迫性尿失禁についてはどうでしょうか?

私自身では、この言葉のイメージが一番難しかったです。

 

 

そこで、簡単な例を挙げてみましょう。

みなさんがバス旅行しているとします。

 

普通におしっこが行きたくなる方であれば、

バス旅行などをしている際におしっこが行きたくなるようであれば、どうでしょう?

 

ちょっとおしっこに行きたくなってきたから、お茶を控えておこう。

どのくらいで次の休憩所にバスは着くかな?

外でも見ていようかな と思うかもしれません。

 

これは、おしっこが少しずつ膀胱にたまり、それとともに徐々に尿意も増えていきます。

我慢をすることはできなくはありません。

 

 

 

尿意切迫感のある人では、どうでしょうか?

「今すぐ、バスを停めてくれー!」

 

 

 

尿意切迫感の尿意というのは、突然でしかも激しい尿意になります。

突然漏れそうな感じです。

 

こんなイメージです。もちろん症状というのは、個人で大きく異なりますので、

今回取り上げた例は極端であるかもしれません。

 

ただ、みなさんに覚えていただきたいのは、尿意切迫感の強い人というのは、こういった症状があるため、外出を避けるようになります。買い物に行ってもまずは、トイレを確認してからなど。かなり苦労されています。

 

今回はこの辺でおしまいとさせていただきます。

おしっこのトラブルと言ってもいろいろある

このブログにたどり着いたということは、皆さんはおしっこのトラブルがあるということになるのでしょう。

 

おしっこのトラブルで悩んでいる方は、かなりたくさんいらっしゃいます。

年齢、性別、産後などいろいろな背景によって出てくるおしっこのトラブルも異なります。

 

皆さんのトラブルはどの様なものでしょうか?

近い。がまんができない。おしっこの後漏れる。夜おしっこが近い。おしっこの勢いが若い頃に比べると落ちている。などなど。 

 

これらのおしっこの症状は、大きく分けると以下の3つに分類することができます。

①おしっこをためることが難しい(蓄尿症状)

②おしっこの出方が悪い(排尿症状)

③おしっこの後の問題(排尿後症状)

 

①の場合、おしっこをうまくためることができないため、具体的な症状(専門的に)は頻尿や尿意切迫感となります。

②の場合、おしっこの出方が悪くなるということですが、膀胱機能の低下などからおしっこを出すための(ポンプに問題がある)おしっこの調子が悪いかもしれません。

他の可能性としては前立腺肥大症が考えられます。

男性には膀胱の下から尿道が出ているのですが、この尿道を取り巻く臓器として、前立腺があります。この前立腺が大きくなることで、おしっこの通り道(尿道)を外から押さえている(ホースを指で押さえているイメージ)ことが問題となることがあります。この状態は前立腺肥大症と呼ばれているものですが、実際に前立腺が普通の大きさでも前立腺肥大症の症状を認めることもあります。

③の場合、おしっこの後に自分の大事なものを下着に納めた後に、下着を汚すパターンですね。尿道におしっこが残っていることが原因となります。

 

これらのことについて次回以降、少しずつ解説などをしていきたいと思います。

初めまして

初めまして。

 

日頃おしっこのトラブルを間近で経験している泌尿器科医です。

おしっこに関する情報などを少しずつでも解説をしていきたいと思います。

 

また、このブログをみた方が少しでも快適な生活を送ることができれば、

ブログを立ち上げた意味があると思います。